テーマ 183 “十分理解してから行う”から“行ってみないと
理解できない”への転換
■仕事の進め方を見直す
製品開発の成功に影響を与える要因を明らかに
することを目的に、スタンフォード大学教授の
キャスリーン・M・アイゼンハート氏と
ベナム・N・タブリージ氏が、米国、欧州、アジアの
コンピューターメーカー36社の72の製品開発プロジェクトを
対象に行った調査があります。
調査結果では革新的な成果を達成したチームほど、
計画段階にかける時間が少なく、実施段階にかける時間が
多いということが分かりました。
一般的に事前に立案する計画が緻密で詳細な方が
プロジェクトはスムーズに進展すると考えてしまいがちですが、
調査結果はその逆で計画作成に時間を費やすほど
プロジェクトの進行は遅くなり、よい成果も得られない
という結果となったのです。
革新的な成果を達成したチームは実行しながら発生する
課題や少しずつ判明する市場の状況に対応し計画を
作り直していました。
上記の調査結果からプロジェクトの成功のためには
柔軟性と迅速な意思決定が重要なことがわかります。
計画を厳格に守るよりも変化する市場や技術環境に
迅速に適応していくことが必要であることがわかります。
今後の実務においては仕事を取り巻く環境を
日頃から注視し、それを踏まえた上で自分の意志で
目標を設定し、目標とその設定理由を上司や部下の方に
説明し納得してもらい、実践ありきの姿勢で自ら率先して
行動しトライアンドエラーを繰り返すことが必要となります。
「十分理解してから行う」という考え方ではなく、
「行ってみないと理解できない」という発想への転換が必要です。
〇今後の仕事の進め方
「必要な成果が獲得できると確信できるまで考え抜いた
自らの意志による目標、行動計画の設定」→
「関係者への説明、説得」→「迅速に着手し行動する」→
「トライアンドエラーを繰り返し期日までに目標を達成する」
↑
〇今までの仕事の進め方
「詳細な現状分析」→「問題点抽出」→「目標設定」→
「詳細な行動計画」→「行動計画通りに進まないときは再度現状分析する」
「行ってみないと理解できない」という発想による仕事の進め方は、
VUCA の時代においてリーダーが成功するための
重要なアプローチ方法といえます。実践を通じて得られる学びや
フィードバックを活用し、迅速かつ柔軟に対応することで、
変化の激しい環境でもチームを効果的に導くことができ
イノベーションやチームの生産性を高めます。
■考えることを習慣化する
長い学校生活の中では必ず正解がある問題を解くことが
優秀さの証でしたが、今企業内で起きている現実は
正解がある問題を解くという発想の人ではなく、
正解のない問題を提示できる人が求められています。
このような能力は一部の人が持つ特別な才能ではなく
日々の習慣の問題です。
今起きていることの意味合いを自分なりの視点で
考えることが必要です。
日々発生する事象は何故そのようなことが起きているのか、
この情報を提供している人は何故このような情報を
提供しているのかその背景を考えるなど、
情報との距離をおいて今行っている自分の仕事は
今後どうなるのかを常に考えることが重要となります。
一度や二度考えただけではよい発想が出るというものでは
ありません。日々考えることを習慣化することが必要です。
こうして考え抜いた問題を目標として設定し、
実際に取り組みトライアンドエラーの繰り返しの中で
成果を獲得していくことが今の時代には求められます。
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